【男女別】保険営業の年収はいくら?歩合の仕組みも解説

-脱営業-

【男女別】保険営業の年収はいくら?歩合の仕組みも解説

「保険営業の仕事は高収入?年収はいくらなの?」と、保険営業の年収について、実際、みなさん多くの人が気になるかと思います。

保険営業は個人の成果がダイレクトに収入に反映される職種のため、年収1000万円〜2000万円以上、人によっては、億以上を稼ぐ人も実際にいます。

本記事では、保険営業の平均年収や、年収の高い保険会社ランキングのほか、報酬に関連する歩合制の仕組みなど、保険営業の一般的な年俸制、月給制、完全出来高制などについてもわかりやすく解説します。

保険営業の平均年収

厚生労働省による「令和元年賃金構造基本統計調査」のデータを見ると、保険・金融業の仕事に携わる男性の平均年収は約461万円、女性の平均年収は約280万円となっています。

出典:「令和元年賃金構造基本統計調査|厚生労働省」

ただし、保険会社や仕事内容、年齢、勤務年数によっても年収に大きなばらつきがあります。

個人営業なのか、法人営業なのかによっても変わってきます。

さらに保険営業の給与の内容(基本給、手当、残業代など)は、基本的に「歩合」が大きな割合を占めるので、個人の成果によって年収が大きく変わる職種といえるでしょう。

男性の年齢別の平均年収

同様の厚生労働省のデータ(令和元年賃金構造基本統計調査)をもとに、性別・年齢別の年収を以下の表にまとめました。

年齢月収年収
20歳〜24歳約19万円約230万円
25歳〜29歳約23万円約281万円
30歳〜34歳約32万円約388万円
35歳〜39歳約39万円約468万円
40歳〜44歳約44万円約532万円
45歳〜49歳約49万円約588万円
50歳〜54歳約52万円約620万円
55歳〜59歳約44万円約523万円
60歳〜64歳約26万円約315万円
65歳〜69歳約22万円約261万円

保険・金融業に携わる男性で、もっとも平均収入が高いのが50歳〜54歳で、年収約620万円です。

男性全体のボリュームゾーンは、月収35万円〜45万円前後、年収450万円〜550万円前後といえます。

女性の年齢別の平均年収

年齢月収年収
20歳〜24歳約18万円約211万円
25歳〜29歳約20万円約236万円
30歳〜34歳約22万円約263万円
35歳〜39歳約24万円約286万円
40歳〜44歳約25万円約296万円
45歳〜49歳約26万円約311万円
50歳〜54歳約26万円約317万円
55歳〜59歳約26万円約311万円
60歳〜64歳約25万円約296万円
65歳〜69歳約28万円約337万円

保険・金融業に携わる女性で、もっとも平均収入が高いのが65歳〜69歳で、年収約337万円です。

女性全体のボリュームゾーンは、月収25万円前後、年収280万円〜300万円前後です。

「生保レディ」という言葉が一般的にもあるように、保険営業では年齢を重ねても活躍する女性が多い印象があります。

年収1000万円以上を稼ぐ保険営業は約17%

保険営業では、実際に年収1000万円〜2000万円以上を稼ぐプレイヤーもいます。

国税庁の令和3年分・民間給与実態統計調査によると、金融・保険業における全給与所得者数に対する年収1000万円以上の割合は約17.6%でした。
出典:「令和3年分 民間給与実態統計調査

また、世界中の保険・金融業界のトッププロたちが所属するグローバルな組織である「MDRT(Million Dollar Round Table)」は、保険営業の勲章ともいえ、基本的に年収1000万円以上が会員の入会基準と言われています。

現在の日本のMDRT会員は、9,089名(2023年4月1日時点)。

雇用形態による給与・報酬システムの違い

保険営業では雇用形態によって給与体系が変わってきます。以下、代表的な2つの例を紹介します。

正社員

まず、保険会社で正規雇用された正社員の場合、給与体系は「基本給+歩合制」が一般的です。

代理店の場合は完全歩合制で、そこから一定の手数料が引かれるケースもあります。

保険外交員(個人事業主)

保険外交員とは、個人事業主として、保険会社と業務委託契約をして保険営業をする人です。

保険外交員の給与形態は、基本的に成果報酬型の完全歩合制(フルコミッション)です。会社によっては、一定期間は基本給がもらえることもあります。

保険営業の歩合制の仕組み

ひとことで「保険会社」と言っても、日系企業と外資系企業で、給与体系や歩合制の仕組みが異なります。

いずれの場合も、契約数や単価の高さに応じて、目に見えて収入がアップするのが魅力ですが、短期間での早期解約があった場合はペナルティが発生するなど、厳しい一面もあります。

それぞれの会社によって歩合制のルールは異なりますが、以下では一般的な例として、日系企業と外資系企業の歩合制の仕組みについて紹介します。

日系の保険会社の場合

日本の保険会社の場合、「死亡保障1000万円」などの保険金額が基準となって、歩合給が決まる場合が多いです。

例えば、契約1年目の歩合は30〜50%など、初年度のコミッションは基本的に高く、その後、契約の継続年数に応じて、3〜10%などの継続報酬が支払われる仕組みです。

外資系の保険会社の場合

外資系の保険会社の場合は、月々の保険料に対して、歩合が決まるケースが多いです。

例えば、契約1年目は30〜50%の報酬で、契約2〜3年目は8%〜の継続報酬になるなど、外資系も初年度のコミッションが高く、2年目以降は下がるのが一般的です。

また外資系でも、会社によっては、入社してから一定期間は固定給が出る場合もありますが、徐々にその額は減っていき、入社2〜3年目には完全歩合給となるケースが多いです。

つまり、日系・外資系のいずれにせよ、保険営業で稼ぐには、新規の契約をコンスタントに取り続ける必要があります。

年収が高い保険会社の比較ランキング

株式会社QuickWorkのデータベース「SalesNow DB」のレポート(調査期間:2022年4月〜2023年4月)によると、保険業界の年収比較ランキングは以下の通りです。

ただし、平均年収はそれぞれの業務形態や事業内容によっても異なるため、あくまでも参考程度に参照してください。

会社名平均年収
①東京海上ホールディングス1412万円
②SOMPOホールディングス1127万円
③アニコムホールディングス1112万円
④MS&AD インシュアランスグループホールディングス1097万円
⑤T&Dホールディングス1058万円
⑥第一生命ホールディングス978万円
⑦SBIインシュアランスグループ800万円
⑧ライフネット生命保険743万円
⑨アドバンスクリエイト688万円
⑩ブロードマインド549万円

出典:「保険業界年収ランキングTOP10|SalesNow DBレポート

第1位は、東京海上日動火災保険などを傘下に置く「東京海上ホールディングス」で、平均年収は1412万円でした。
SOMPOホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングスと並んで「三メガ損保」のひとつとして呼ばれることがあります。

第2位は「SOMPOホールディングス」。損害保険ジャパン株式会社などの保険会社を傘下に持つ持株会社で、平均年収は1127万円でした。

第3位は「アニコムホールディングス」で、平均年収は1112万円でした。ペット保険専門のアニコム損害保険などを傘下に抱える保険持株会社で、損害保険の一種であるペット保険の取扱を専門とする日本初の保険会社です。
国民健康保険のシステムにならって、提携する動物病院の窓口で保険証を提示すれば、自己負担分を支払うだけで済む保険の仕組み「窓口精算システム」を日本で初めて構築した会社です。

そのほか、第4位はMS&ADインシュアランスグループホールディングス、第5位はT&Dホールディングスという結果となりました。

まとめ

本記事では、保険営業の年収の実態について、給与体系の仕組みなども含めて解説しました。

保険営業の年収は、会社や雇用形態のほか、個人の成果によって大きく変わってきます。基本的には「成果報酬」という評価基準がベースとなっているため、成果が出れば、入社1年目でも高収入を狙えるチャンスは大いにあります。

日本でも年収1000万円〜億以上を稼ぐ保険営業もいます。

保険営業へのキャリアチェンジ・キャリアアップを検討する際は、それぞれの会社の給与体系やインセンティブ制度をよく確認しながら、収入アップを目指しましょう。